思いの詰まった木桶蒸留器。

山元酒造では、大型仕込みだけではなく、

昔ながらの手造りのよさを現在でも大切に受け継がれています。

70数個の甕が、蔵の中に埋められており、

木桶蒸留器による蒸留とこだわりの焼酎造りを行っています。

 

その木桶蒸留器ですが、

木の香りなど特長が薄れていくため、

山元酒造では4年に1度、交換を行っております。

交換する1年前に発注し、今年が交換の年となりました。

 

木桶蒸留器の歴史は古く、

江戸時代から明治初期にかけて、ほとんどのところで

木桶蒸留器を使用していたのですが、

近代化が進み効率の良いステンレス製の蒸留器へと変わっていきました。

そこで、故・津留辰矢氏(鹿児島県曽於市)によって

30数年前に焼酎用木桶蒸留器が復元されました。

釘を一切使わず、スギと唐竹だけで作る国内唯一の職人です。

2011年には「現代の名工」にも選ばれました。

津留さんの想いの詰まった木桶蒸留器。

この蒸留器から垂れた酒は杉製の華やかな香りに

コクと深みがあり、やわらかで香味のバランスが良いのです。

仕込みがない時期は、スギ材が乾燥し収縮するため

手入れが絶えないのですが、その分想いも深まります。

私たち蔵人もこの限られた年数で特長を最大限に引き出し、

薩摩の伝統的な製法を守り、そして継承し

誇りをもって取り組んでいます。

 

 

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